渡部建の不倫で一番ショックを受けた千葉テレビ 芸人と“独立放送局”の意外な蜜月

全国で13局が奮戦中

 渡部建(47)の不倫問題は、千葉テレビというローカル放送局にも大きな影響を与えた。「白黒アンジャッシュ」というバラエティ番組を制作し、毎週火曜の午後11時から放送していたからだ。

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 中スポ/東京中日スポーツ(電子版)が6月10日に配信した記事、「『白黒アンジャッシュ』渡部の不倫報道受け放送休止 2004年スタート人気冠番組…チバテレ『打ち切りではない』」をご紹介しよう。

《チバテレ(千葉テレビ)は10日、アンジャッシュの冠バラエティ番組「白黒アンジャッシュ」の放送休止を決めた。9日の再放送となる13日から別番組に差し替えられる》

《同番組は2004年からスタートした人気番組。同局の担当者は「現時点で、打ち切りということではない。今後、協議していく」と説明した》

 1993年にアンジャッシュは結成。1999年からNHK総合で始まった「爆笑オンエアバトル」で注目されるようになり、2003年には第5回チャンピオンに輝く。

 また日本テレビの「エンタの神様」(定期放送は03〜10年)では、アンジャッシュは03年6月に初出演を果たした。

 中スポの記事にある通り、「白黒アンジャッシュ」の放送開始は04年。児島と渡部の2人がテレビ業界でめきめきと頭角を現してきた頃、ちょうど千葉テレビで冠番組が始まったことになる。

 その後は当然ながら、アンジャッシュの知名度が増すたびに、番組の人気は上昇した。08年6月に「アメトーーク!」(テレビ朝日系列・木・23:15)が「地方冠番組芸人」を放送。アンジャッシュが出演し、番組の舞台裏を明かして大きな反響を呼んだ。

 また15年には明石家さんま(64)のサプライズ出演を4週にわたって放送。さんまへのギャラは本番中に手渡しで支給されたのだが、5000円札が1枚という破格の低額も話題になった。

 現在は千葉テレビだけでなく、関東や関西、九州など13のテレビ局で放送されている。DVDも5巻が発売されている。いわゆる隠れた人気番組と言ってよく、渡部の不倫で番組がどうなるか、スポーツ紙が注目するのは当然なのだ。

 千葉テレビの知名度が低いのは、民放キー局の“系列”に入っていないからだ。放送を担当する記者が解説する。

「日本テレビやテレビ朝日といった民放の在局キー局は、各道府県に系列の地方局を有しています。ところが、地域によってはキー局の系列に属さない独立の放送局が存在します。アナログ放送が行われていた頃、こうした地方の独立テレビ局はUHF(極超短波)を使って番組を放送していたため、『独立UHF局』などと呼ばれていました。ところが地上デジタル放送が開始されたことにより、現在は『独立放送局』と改められています」

 全国独立放送協議会に参加しているテレビ局は現在、13局あり、地域に根ざした放送を今も続けている。全局を表でご紹介しよう。

 東京都民なら、東京メトロポリタンテレビジョンだけでなく、関東地区の独立放送局なら社名を聞いたことはあるだろう。だが、岐阜放送は初耳に違いない。

 逆もまた真なりだ。奈良県民は地元の奈良テレビだけでなく、神戸のサンテレビジョンも知っているだろう。しかしながら、とちぎテレビとなると全く知識はないはずだ。

独立局を大切にする大物芸人

 こうした「真のローカルテレビ局」も、しっかりとバラエティ番組を制作している。予算はないから知恵を使う。若手芸人を抜擢し、自分たちの“目利き”に賭けるのだ。

 そうした彼らの力量が、いかんなく発揮された番組は少なくない。現在、独立放送局が制作しているバラエティ番組を、これも表にまとめてみた。

 表の通り、充実したラインナップなのだ。独立放送局が制作した人気のバラエティ番組は、他社の独立放送局でオンエアされることも珍しくない。彼らも立派な「系列」を構築しているのだ。

 特に最近では、千鳥の2人が「いろはに千鳥」でブレイクを果たしたことは語り草になっている。民放キー局で番組制作に携わるスタッフが解説する。

「テレビ好きやお笑い好きの人たちは、独立放送局が制作するバラエティ番組を熱心にチェックします。お笑い芸人にとって、冠番組を持つのは夢であり目標です。品川祐さん(48)は『BSでもCSでもいいから冠番組がほしい』としょっちゅう言っています。冠番組を持つ芸人は圧倒的に少数派です。それを独立放送局で実現させた芸人たちは、立派な“エリート”なんですね」

 冠番組という名誉だけでなく、地元愛で固く結ばれたケースも珍しくない。U字工事ととちぎテレビ、JOY(35)と群馬テレビの関係が深いことは有名だが、どちらも地元出身だ。

「芸人の皆さんも、独立放送局を大切にしています。明石家さんまさんは、びわ湖放送の番組に出演したこともありますし、マツコデラックスさん(47)は東京メトロポリタンテレビジョンの仕事を大切にしています。独立放送局の社員や制作スタッフも、全国的な売れっ子になっても出演してくれる芸人に心から感謝しています。本当に素晴らしい人間関係が築かれているので、そういう意味でも渡部さんの醜聞は残念ですし、千葉テレビの皆さんはがっくりと肩を落としているのではないでしょうか」(同)

週刊新潮WEB取材班

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