温泉に漬かると血管年齢が2歳若くなる? 岩手県奥州市と順天堂大の山本直之教授(理学)らは20日、月3回以上温泉を利用する人は血管が柔軟に保たれ、動脈硬化のリスクが低くなるという共同研究結果を発表した。効能を発信し、市民の健康増進と温泉施設の利用促進に役立てる。
月3回以上で動脈硬化リスクも低下
昨年11、12月に40~70歳代の市民に協力を呼びかけ計196人を調査。市内の温泉の利用頻度ごとに週3回以上を高頻度、月3回以上を中頻度、月3回以下を低頻度とし、血管の柔軟性を示す脈波や血圧を測定した。
その結果、中高頻度の利用者は血管年齢が実年齢より2歳低いことが判明。心臓疾患リスクにつながる心拍数も低かった。早寝早起きで体調が良く、肉食や飲酒が多い傾向も見られた。
山本教授によると、塩分摂取の多い岩手県の平均寿命は79・86歳で全国45位。2歳若返ると81・78歳の滋賀県を抜いてトップになるという。
山本教授は今月20日に同市の温泉施設「焼石クアパークひめかゆ」であった報告会で「血管が若返ると活動量や食欲が増し、生活習慣病の予防にもなる。家庭でも温泉成分入りの入浴剤を使い、血管をケアするきっかけにしてほしい」と呼びかけた。