漫画「AKIRA」30年前に20年東京五輪“予言”

2020年の東京五輪開催を予言していた漫画があった。漫画家で映画監督の大友克洋氏(59)の名作「AKIRA」(講談社)。1982~90年に「ヤングマガジン」で連載された世界でも人気のSF巨編で、近未来として描いた東京が、2020年に五輪開催を控える様子をズバリ“的中”させている。
 舞台は2019年の東京。1982年に新型爆弾が投下されて荒廃した街で、暴走族のリーダーや超能力を持つ少年たちが戦う姿を描いた。大友氏は自ら監督した劇場版を88年に公開。海外のファンも多く、日本アニメブームを呼んだ歴史的な作品でもある。
 東京五輪については連載開始時に「来年のオリンピックのときにゃ公園になってるそうだ…」というセリフや「東京オリンピック会場建設地」などの看板が描かれるシーンがあり、戦闘で崩壊した競技場も描かれている。
 この“予言”に気づいた人たちは、インターネット上で「2020年東京五輪を80年代からアピールしてたんだからすげえよな」「38年も前なんだよな」など驚きの声を書き込んでいる。
 大友氏は緻密な描写に定評があり架空の世界にリアリティーを与える筆力が高く評価されている。「AKIRA」は第3次世界大戦後という舞台設定になっており、再建途中の首都が再び破壊される危機にも直面する。予言的中は「五輪」だけでこちらは当たらないことを祈るばかりだ。

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