潮風の中、さんま祭り 名取・閖上で3年ぶり現地開催

宮城県名取市閖上のゆりあげ港朝市で1日、「さんま祭り」(同朝市協同組合主催)が開かれ、大勢の来場者が一足早い秋の味覚を楽しんだ。東日本大震災の発生以降、内陸部の大手スーパー駐車場に会場を移してきたが、ことしは3年ぶりに閖上に戻った。
 会場には北海道根室沖でとれた生サンマ3000匹が用意され、1人1匹ずつ無料で配られた。炭火コーナーで早速焼いて食べると「脂が乗ってる」「初物はおいしいね」などの会話が弾んだ。サンマの即売も行われ、市価より2~3割安い値段で提供された。
 ことしのサンマは今のところ回遊が遅れているものの、今後は例年並みの水揚げが期待できるという。協同組合の桜井広行理事長は「大勢のお客さんが来てくれてうれしい。潮風の匂いがする中で食べる魚が一番おいしいんですよ」と閖上での祭り再開を喜んだ。
 ゆりあげ港朝市は津波で施設が全壊し、カナダ連邦政府などの支援により5月4日に現地再建を果たした。毎週日曜・祝日の午前6~10時に営業している。

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