灯、次へ 石巻の復興マルシェ営業終了

東日本大震災で被災した石巻市の水産関連業者などが出店する仮設商店街「石巻まちなか復興マルシェ」が30日、営業を終えた。2012年6月の開業以来、市中心部で被災地観光の拠点となってきた。来年度から本格化する旧北上川の河川堤防工事に伴い、惜しまれながら閉鎖を迎えた。
 マルシェは11月8日から感謝フェアを開催し、物産店や飲食店など入居する6店が格安で商品を提供。最終日は地元の漁業者が焼きガキを販売、団体客が訪れるなどにぎわいを見せた。
 営業時間が終了した午後6時ごろ、スタッフが2カ所の入り口の錠を閉め、2年5カ月の歴史に幕を下ろした。解体工事は来年1月に始まる予定。
 マルシェは津波被害を受けた中心市街地に人を呼び込もうと、まちづくり会社「街づくりまんぼう」や市などでつくる運営協議会が市有地にオープンさせた。復興支援のプレハブ施設を活用、多くの団体客などを受け入れ、周辺の商店街に波及効果をもたらしていた。
 閉鎖後の敷地では、市が生鮮市場を核にした観光交流施設を16年11月までに整備する方針。街づくりまんぼうなどは新たな施設完成までの観光客の受け皿として、現在地近くに代替商業施設を計画し、来春の開業を目指している。
 街づくりまんぼうの西條允敏社長は「皆さんの協力でマルシェを運営できたことに感謝している。2年半の間にできた人の流れを次につなぐため、今後も努力を続けたい」と話した。

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