灯籠、祈り一心 石巻・川開き祭り開幕

 宮城県石巻地方の夏を彩る恒例の「川開き祭り」(実行委主催)が31日、幕を開けた。初日は東日本大震災の犠牲者を悼む灯籠流しや供養祭が行われ、大勢の市民が鎮魂を祈った。
 石巻市内を流れる旧北上川では、震災の遺族が故人の名前などをしたためた灯籠約1万個を流した。オレンジ色の温かい光が水面をゆっくりと漂い、訪れた人たちの目を奪った。
 川の近くで行われた供養祭には多くの遺族が参加し、黙とうをささげた。津波で夫を亡くした阿部文子さん(62)は「自分のそばに流れてきた灯籠が、まるで夫の魂のように思えて、少しだけ安らかな気持ちになれた」と話し、涙をぬぐった。
 祭りは1日もあり、昼はディズニーキャラクターなどによるパレードを開催、夜は「祈り」「希望」をテーマにした花火大会を行う。

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