災害への備え学ぼう 小3、4年向け副読本、宮城県教委作成

宮城県教委は、災害に対する子どもたちの心構えや対応力を高めようと、防災教育用の副読本「未来へのきずな」を作成した。東日本大震災の教訓を踏まえ、災害時の実践的な対応方法や津波に関する知識、自助と共助の大切さなどの内容を充実させた。本年度作成したのは小学3、4年用で、総合学習の授業や防災訓練などに活用してもらう。
 「自分の身は自分で守る」「助け合い・共に生きる」「3.11を忘れない」など7章で構成。地震が起きた際の避難行動については、登下校中や在校中、自宅にいる場合など多様な場面を想定し、自分の身を守る方法を児童に考えさせている。
 「より高い所へ逃げる」「警報が出ている間は避難を続ける」など、津波避難のマニュアルはイラストを使って分かりやすく説明した。
 避難所での共同生活で気を付ける点や救助活動に携わる人々の気持ちを児童同士で話し合わせるなど、理解を深める工夫も施した。災害後のストレスとの向き合い方も取り上げ、心のケア対策も盛り込んだ。
 震災の記憶と命の尊さを伝えるため、家族を失った子どもらが震災直後に思いをつづった詩や、全国からの支援に感謝する作文も掲載した。
 監修したのは東北大災害科学国際研究所の今村文彦副所長。防災教育の専門家や県内の小学校教諭らが中心となり編集した。既に副読本がある仙台市以外の公私立校の児童に配布する。
 県教委は2015年度までに、幼稚園から高校までの成長段階に応じた副読本を順次作成する。
 スポーツ健康課は「子どもたちが災害時に状況に応じた対応を取れるよう、授業や学校生活のさまざまな場面で活用してほしい」と強調する。

タイトルとURLをコピーしました