宮城県は17日、東日本大震災の被災者が入居する災害公営住宅整備に向け、基本設計の考え方を示したガイドラインを策定した。発電事業者に屋根を貸すことを想定し、太陽光発電システムを設置できるよう土台などを備える。被災者が自力で自宅再建する際にも参考として利用してもらう。
整備を予定している県内21市町と共にまとめた。県が震災復興計画で掲げた「災害に強いまちづくり宮城モデル」を踏まえ、快適で安心できる居住空間をつくるのが狙い。
災害に備え、備蓄倉庫や非常用電源の設置も盛り込んだ。集合住宅の場合は、津波避難ビルとしての活用も提案している。高齢者の生活を手助けする人の配置や福祉施設の併設なども念頭に置く。環境対策では、共有スペースへの発光ダイオード(LED)照明の設置などを提示している。
災害公営住宅は、県内で計約1万5000戸の整備が予定されている。家庭菜園などの共有空間を確保するため、一戸建ての場合も団地の形成を目指す。建設に当たっては、地元業者の積極的な活用を掲げた。
家賃については、一部の低所得者世帯の負担を軽減。県営住宅を下回る水準に設定した。県はこのほか、市町の担当者や設計事務所の関係者向けに災害公営住宅の標準仕様も定めた。ガイドラインとともに、近くホームページに掲載する。