東京電力福島第一原発の復旧支援のために投入された国産の災害救助ロボット「Quince(クインス)」が建屋内で立ち往生し、帰還できなくなったのを教訓に、開発チームは今月にも、新たな作業ロボットと、万一の際に救出する「お助けロボ」をセットで現場に投入する。原発では廃炉に向けてロボット技術がますます必要になる。放射線量が高い過酷な状況への再挑戦は、技術改良の貴重な機会という。
クインスはロボットの運動性能を競う世界大会「ロボカップ」で優勝を果たしたロボットの改良型。高い走破性能が売りだったが、3カ月前の昨年10月20日、2号機原子炉建屋内で放射線量を測定し、周囲の様子の撮影などをして帰還する途中に停止し、通信が途絶えた。現場の放射線量は毎時数十ミリシーベルトと高くて作業員は近づけず、放置されたままになっている。