災害時の自主電源確保 東松島市、ガスバルクを導入

宮城県東松島市は、大量のLPガスを貯蔵し、非常時は発電に利用できる「災害対応型ガスバルク」を市コミュニティセンターに導入した。電源や燃料の確保に苦慮した東日本大震災を教訓に、自主電源確保の体制を強化する。
 設置したガスバルクのタンクは鉄製の円柱形で高さ約1.9メートル、直径約1メートル。一般家庭用のボンベ10本分、約500キロのガスを貯蔵できる。
 通常時は、コミュニティセンターの給湯や調理室などで使用する。最大貯蔵量は1年分以上に相当。半分程度に減った段階で充填(じゅうてん)し、一定量以上のストックを維持する。
 災害時は併設のガス式発電機を稼働させる。タンクのガスを直接利用できるよう接続装置も備え、鍋や炊飯釜につないで炊き出しなどに役立てる。
 導入費用は約500万円。国と一般社団法人全国LPガス協会の補助金を活用し、市は消費税分だけを負担した。県内では気仙沼、白石両市も配備しているという。
 市役所に隣接するコミュニティセンターは市の指定避難所で、市役所が被災した場合は災害対策本部が置かれる。市は屋根や駐車場に太陽光発電装置を整備するなど、非常時の電源対策を講じてきた。
 市防災課の小林勇課長は「震災で電源の確保は多種多様な組み合わせが必要だと痛感した。さまざまなエネルギー源で補完し合い、防災機能を高めたい」と話した。

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