点在70店「まっぷ」に 町全体で復興目指す 南三陸

宮城県南三陸町に点在する「お店屋さん」の存在をアピールしようと、町内の商店主らが「南三陸てん店(てん)まっぷ2013」を作成した。東日本大震災後、各地で営業を再開した約70店の連絡先や営業時間などを掲載。町民や観光客に来店を呼び掛けている。
 まっぷはA2判、両面カラーで、片面は町の地図に店の場所を明示し、もう一方の面には1店ずつ店舗情報を記載している。各店のスタンプを押す欄もあり、集めた数によってエコバッグや温泉入浴券などの賞品がもらえる。
 「仮設商店街は比較的にぎわっているが、各地に点在する小さな店は再開したことすら、なかなか知ってもらえない。真の復興には町内全域の活性化が必要だ」と話すのは、作成の中心となった南三陸ホテル観洋おかみの阿部憲子さん。
 商店主に参加を呼び掛け、1口3000円の資金を集めて5000部を印刷し、仮設住宅などに配布した。作成を通じて、各店に今後の連携を模索する動きも生まれているという。
 まっぷには仮設住宅で配達だけを受け付けたり、町外で仮オープンしたり、逆境の中で奮闘する店が数多く掲載されている。町中心部の生花店を津波で失い、人通りの少ない高台の工業団地内で再開したサトー園芸の佐藤典明社長は「小さな店単独では宣伝する力がない。とてもありがたい」と歓迎する。
 まっぷは南三陸ホテル観洋で入手できる。連絡先は同ホテル0226(46)2442。

タイトルとURLをコピーしました