無人離島の国有化完了 273島 領海・EEZ基点

日本の領海や排他的経済水域(EEZ)の「基点」となるにもかかわらず、所有者のいない無人離島273について、政府が国有財産登録の手続きを完了したことが5日、分かった。そのうち257島が領海の基点、16島がEEZの基点となることも新たに判明した。7日に発表する。中国の海洋進出や外国資本による土地売買を念頭に、離島の所有権を明確にすることで領海の管理を強化する。

昨年行われた測量などの結果、環境省が国立公園の管理名目で、最も多い43島を管轄することになった。次いで、林野庁が国有林の保全目的として42島、国土交通省は17島(うち海上保安庁が1島)を登録した。特段の管理目的がなかった171島は、財務省が普通財産として登録した。

無人離島は24都道府県に所在し、都道府県別では鹿児島県が63島と最も多く、東京都の58島、北海道の28島と続く。

沖縄県では沖縄本島や宮古島周辺など12島を国有化した。

韓国や中国が一方的に領有権を主張する竹島(島根県隠岐の島町)や尖閣諸島(沖縄県石垣市)の周辺で所有者のいない離島はなかった。

政府は漁業資源やエネルギー資源確保の観点から、平成21年に「海洋管理のための離島の保全・管理のあり方に関する基本方針」を策定、無人島の管理強化を打ち出した。26年8月には領海の基点となる離島のうち無名の158島に名前を付け、日本帰属を明確化した。

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