日本たばこ産業(JT)は8日、5月中旬から都内限定で売り出した、火を使わず煙も出ない無煙たばこ「ゼロスタイル・ミント」の生産能力を、秋ごろをメドに現在の倍の月100万パックに引上げると発表した。発売1カ月で65万パックが売れるという想定外の大ヒットで、供給が追いつかない状況のため、生産能力の大幅な増強に踏み切る。
1パックは、パイプ状の本体と、タバコの葉が詰まったカートリッジ2本入り。JTは当初、ゼロスタイルを東京都墨田区にある生産技術センターで月25万パックを生産。その後、工場の稼働時間の延長などで生産能力を月50万パックに引き上げた。しかし、それでも供給に追いつかないため、東海工場(静岡県)内に新ラインを立ち上げることにした。
この日、会見したJTの藤崎義久常務執行役員は「発売を前に、社内でさまざまな需要調査をしたが、予想を大きく上回る販売となり、店頭で品薄を続け、申し訳ない」と陳謝した。
ゼロスタイル・ミントは、たばこの葉が詰まったカートリッジをパイプ状の本体にセットして味わう。価格は本体とカートリッジ2本のセットで300円、詰め替え用カートリッジは4本入りで400円。
タールはゼロで、ニコチンは微量含まれている。使用頻度に応じて、1本のカートリッジで、半日から1日程度楽しめるという。
受動喫煙による健康被害への関心の高まりもあり、大ヒットとなった。