新型コロナウイルスによる院内感染を防ぐため、厚生労働省は、症状がない患者へのPCR検査にも公的医療保険を適用する方針を決めた。
発症前から人に感染させる可能性があるとわかってきたことが背景にあり、医療現場から要望が相次いでいた。
厚労省は中央社会保険医療協議会(中医協)で24日、症状がない入院患者についても、治療をする上で医師が必要と判断した場合に限定し、保険の枠組みでPCR検査ができるとの見解を示した。症状のない患者への検査は基本的に保険が使えず、全額自己負担だと2万円程度かかっていた。
背景には、医療現場からの声がある。
「院内感染を防ぐ最初のステップだ」。医学部を設置する大学と病院でつくる全国医学部長病院長会議は20日、すべての入院患者に対し、手術などの前にPCR検査を公費でできるようにしてほしいと国に要望した。東大病院では今月中旬から、外科手術を受ける患者に対し、無症状でも手術直前に検査しているという。
日本脳神経外科学会のほか、日本内科学会と日本感染症学会は連名で、それぞれ声明を出すなど、広がりを見せていた。