無線LANが来客の呼び水 宮城県、外国人観光客の回復へ

宮城県は本年度、東日本大震災後に激減した外国人観光客の回復に向け、WiFi(ワイファイ)など無料の公衆無線LANサービスを新設するホテルや旅館などへの支援に乗り出した。「スマートフォンなどで情報を入手したいが、通信費がかさむのが気になる」という外国人観光客の声に応える。
 支援の対象はホテルや旅館といった宿泊施設のロビー、宴会場など、または観光案内所やスキー場など民間集客施設。補助額はそれぞれ導入する無線LANの機器購入費と設置工事費の2分の1以内で、25万円を上限とする。
 募集期間は5月7~30日。申請内容の審査を経て助成先を決定し、6月ごろの交付を予定している。
 県観光課によると、県内の2012年の外国人宿泊者数は約7万5000人。震災や風評被害の影響から、震災前の10年の約15万9000人の半分も回復していない。
 15年3月には仙台市で第3回国連防災世界会議が開かれるほか、20年には東京五輪を控える。多くの集客が見込まれるイベントを前に、県は外国人観光客の利便性を向上させ来客数回復につなげたい考えだ。
 観光庁が外国人観光客を対象に実施したアンケート(11年度)では「日本国内を旅行中に困ったこと」の問いに、4割近くが「無料の公衆無線LAN環境がない」と回答した。スマホやタブレット端末の通信費がかさんで自由に使えず、観光情報を入手しにくいためだという。
 同様の補助事業は東京都や新潟県なども導入している。県は1125万円を予算化した。連絡先は県観光課022(211)2823。

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