牛タン自販機、仙台に続々

「仙台名物牛タンが自宅で24時間楽しめる!」。冷凍牛タンの自動販売機が仙台市内に登場し、SNSなどで話題を呼ぶ。新型コロナウイルス対策で宮城県に緊急事態宣言が発令される中、営業時間に縛られない非対面の販売方法としても注目される。「牛タンの日」の9月10日を前に、食卓でホットプレートを囲んだ。
(編集局コンテンツセンター・佐藤琢磨)

 食肉加工・卸販売「バリューライフ」が仙台市若林区鶴代町の本社前など市内計5カ所に設置した。2019年に泉区に開いた居酒屋「牛たん伝説 和顔(わげん)」が半年で休業に追い込まれ、コロナ下にBtoC(企業と消費者間の取引)で商品を届ける方法を模索してきた。
 活用する新型の冷凍自販機は、零下20度での保存とオンラインの在庫管理が可能。食品衛生法の改正で、包装食肉の販売がインターネットで申請できるようになったのも商機となった。
 非接触型の自販機は、消費者が安心して購入しやすい。「時代にマッチした販売方法だった。分かりやすく手頃な値段も受けた」と同社広報の庄司真弓さん(37)は話す。
 自販機に並ぶのは、牛タン6種類と焼き肉4種類の計10商品。庄司さん一押しの「極芯牛たんうま味噌(みそ)」(125グラム、1000円)には、仙台みそで味付けした牛タンスライスが5枚ほど入る。240グラムの「牛たん切り落とし」(500円)も人気だ。いずれも解凍後、強火でさっと焼くのがお勧めだという。
 「値段の割にボリュームがある」「食べやすくておいしい」など消費者の反応は上々。売り上げは予想の2倍で、社員は毎日商品の補充に駆け回る。仙台中心部などに100台を設置するのが目標だという。
 「自販機で牛タンをさっと買い、気軽に食べられるようになってほしい」。真空パックの商品には、庄司さんの情熱もぎゅうぎゅうに詰まっている。

牛タンの自販機で商品を購入する人たち=仙台市若林区鶴代町

自販機の設置場所

宮城野区出花1の9の7
若林区卸町2の6の4
若林区鶴代町4の52
太白区山田新町56
泉区長命ケ丘5の12の1

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