北海道標茶(しべちゃ)町と厚岸(あっけし)町で放牧中の牛を相次いで襲ったヒグマ「OSO(オソ)18」について、道は22日、両町に隣接する釧路町で7月に駆除されていたと発表した。性別は雄で、体長2・1メートル、体重330キロだった。以前より痩せた状態という。
道釧路総合振興局の発表によると、エゾシカの捕獲にあたっていた釧路町職員のハンターが7月30日午前5時頃、同町仙鳳趾村(せんぽうしむら)オタクパウシの放牧地でヒグマを発見。2日前から出没情報があり、人を見ても逃げなかったことから有害個体と判断し、ライフルを3発発射して駆除した。
ハンターはOSO18とは思わなかったというが、仲間がその可能性を指摘。体毛を道立総合研究機構(札幌市)が分析したところ、過去の襲撃現場付近などに残されたOSO18の体毛とDNA型が一致した。
OSO18に牛が襲われる被害は2019年7月、標茶町オソツベツ地区で始まり、21年7月には厚岸町でも確認された。両町で計66頭が被害に遭い、うち32頭が死んだ。
OSO18の名は、最初の被害が確認された地名と足跡の幅が約18センチだったことにちなむ。捕獲後に測ると前足の幅は約20センチだった。
警戒心が強く、地元のハンターらによる捕獲作戦は難航。今年6月25日に標茶町で初めて鮮明なカラー画像が撮影された後、足取りは途絶えていた。