牡鹿の話題生き生きと 石巻・鮎川の女性3人、ミニコミ発行

宮城県石巻市鮎川浜の女性3人が、牡鹿地区の情報を集めたミニコミ紙「牡鹿ふるさと通信」を発行している。地区の催しなどを取材し、編集も手掛ける。住民だけでなく、東日本大震災で地区外に移った被災者にも「地元の話題」を届け、地域の結び付きを強めている。
 ふるさと通信はA4判、カラーの4ページ。毎月1回発行で、今月は金華山黄金山神社の12年に一度の祭り「巳(み)年御縁年大祭」、大原、寄磯、鮎川の3小学校の運動会などの記事が並ぶ。写真をふんだんに使い、生き生きとした紙面に仕上がっている。
 発行しているのは鮎川浜の鈴木ひろみさん(57)ら。「石巻市は広く、新聞などで牡鹿地区の情報がなかなか紹介されない。地域の明るい話題を集め、お年寄りにも見やすい形で届けたかった」と震災前から顔見知りだった3人が、昨年10月に創刊した。
 ミニコミ紙作りは全員、初めての経験。鈴木さんの自宅が編集室代わりで「毎月準備に追われているけれど、助け合って何とかやっている」と口をそろえる。県の委託を受け被災地で活動する「復興応援隊」の牡鹿地区担当チームが経費面で支援し、印刷も請け負っている。
 毎月2500部を発行。当初は鈴木さんらが自分で配っていたが、今は市牡鹿総合支所を通じて市報などと一緒に全戸配布してもらっている。希望があれば、地区外に引っ越した住民に郵送している。
 鈴木さんは「地元の人たちに喜んでもらえているようで、うれしい。いつまで続けられるか分からないが、頑張って発行したい」と意気込んでいる。

タイトルとURLをコピーしました