宮城・村田をバズらせる（話題にする）ことを使命にあの世に行くまで戦い続ける－。動画投稿アプリＴｉｋＴｏｋ（ティックトック）で地元を元気にしようと、宮城県村田町ゆかりの平均年齢６８・１歳の男女６人でつくる「老人戦隊」が注目を集めている。メンバーは物忘れや持病に負けず、活動を楽しんでいる。（大河原支局・伊藤恭道）
地元宮城・村田をバズらせて再生回数は９２０万回
赤、青、黄、緑、黒、ピンクのジャージーを着てダンスを披露。軽快なＢＧＭとは対照的に動きはぎこちなく、統一感に欠ける。そんな動画が若者の心をわしづかみにし、フォロワーは１万８５００人を超え、再生回数は９２０万回に上る。
メンバーはゆりちゃん（７９）＝佐藤百合子さん＝、たかちゃん（６８）＝高橋孝さん＝、きょうちゃん（６８）＝高橋京子さん＝、のぶちゃん（６５）＝石垣信子さん＝、りっちゃん（６６）＝佐藤律子さん＝、のりちゃん（６３）＝田中典子さん＝。職業は農業や会社員などさまざま。仕事の都合で撮影には全員がそろわないことも多い。
地域活性化に貢献するインフルエンサー育成を目指す町内の芸能事務所「ＹＡＩＺＯＯ（ヤイズー）仙台」の白岩雄一郎代表（５３）が昨年１２月、知人の母親であるゆりちゃんに声掛けした。ゆりちゃんは経営するスナックの常連客を誘い、老人戦隊を結成した。
白岩さんの指導の下「蔵の町並み」など町内の観光地や道の駅、飲食店に出向いて撮影し、町の特産物などをＰＲする。振り付けはプロ野球日本ハムの「きつねダンス」や、民放の情報番組で人気のダンスなどを基本的にまねている。
週３本のペースで配信し、撮影動画は１００本以上になった。コメント欄には「シュールで面白い」「癒やされる」「体いたわって」といった声が寄せられている。
唯一の男性で隊長のたかちゃんは「肉が大好物で若いつもりだが、物忘れがひどくて自分が一番、ダンスの指導をされる。覚えてもうまく動けない」と笑う。
７年前に大動脈解離の大病を患ったゆりちゃんは「ＴｉｋＴｏｋは知らなかったが、今は生きがい。大好きな村田の良さを伝え、移住者を増やしたい」と張り切る。
