今年に入り、マイコプラズマに感染した子どもが急増。かつては4年に1度流行る“オリンピック病”ともいわれたが、新薬の開発により’90年に入ると罹患者は激減。なりを潜めた病気のはずだったが……。
「マイコプラズマは細菌で、ウイルスと違い一生に何度も発症することがあります。そのため、耐性菌が増えていき、マイコプラズマ肺炎の特効薬である『クラリスロマイシン』などが効かない人も現れ、入院するケースも増えています」
そう話すのは、マイコプラズマ学会理事で、札幌徳洲会病院小児科の成田光生先生。特効薬も効かない、いわば“ハイパーマイコプラズマ肺炎”が出現しているというのだ。
咳と高熱が長続きし、肺炎を引き起こして感染を疑われることの多いマイコプラズマ。一般的なマイコプラズマ感染者は、症状として通常の風邪とは異なり、鼻水はほとんど出ず、痰のからまない乾いた咳がしつこく続くのが特徴。
潜伏期間は2~3週間と長いが、実は肺炎など重症化することなく、自然に治ることも少なくないという。しかし、この自覚症状のない場合が実は厄介で、知らないうちにマイコプラズマを幼稚園などでまき散らしているケースもあるという。
いま子どもたちを守るために、親は何ができるのか。成田先生はこう語る。
「人混みを避けてマスクを着用すること。うがいと手洗いを欠かさず、感染したと思ったら『冷静な対応』を心掛けましょう」