宮城県利府町特産のナシ栽培140年を記念し、町地域おこし協力隊の渡辺茜里さん(24)が町産ナシを使ったクラフトコーラ「リフコーラ」を開発した。使い道のなかったナシピューレを活用し、食品ロス削減にも貢献。「10年後の150周年やその先にもつなげ、利府梨の魅力を発信できる商品にしたい」と意気込む。
利府梨の象徴的な品種「長十郎」で作ったピューレとシナモン、ショウガなどのスパイス、テンサイ糖を原料とし、添加物や保存料を使わない自然な味わいが特徴。コーラの原液として利用する。爽快なスパイスの風味の中に、ナシの甘みがほんのりと香る。
渡辺さんは「炭酸水はもちろん、ハイボールや牛乳とも相性がいい。子どもから大人まで幅広い世代で好きな飲み方を楽しめる」とPRする。
昨年9月に協力隊に就任した渡辺さんは、用途が決まらないまま保管されていたナシピューレの活用を町から打診され、福島市の企業の協力も得てクラフトコーラの商品化に取り組んだ。今春から町内のイベントなどで販売している。
利府梨の栽培は1884年に日野藤吉氏が150本の苗木を植えたことが起源とされる。コーラを通して今年の140周年を盛り上げようと、商品名のタグは昔の販売時に使用されていた包装紙がモチーフのレトロ感漂うデザインになっている。
渡辺さんは「ゆくゆくは『利府といえばリフコーラ』と言ってもらえるよう、お土産品としても打ち出していきたい」と語る。
1本200ミリリットル入りで2000円。連絡先は販売元の「create company(クリエイトカンパニー)」03(4400)3900。