犯罪被害者支援条例案、仙台市が9月定例会に提出へ 支援メニューに学業復帰の助成も

 仙台市は9日、犯罪被害者やその家族をサポートする条例に関する懇話会の最終会合を青葉区役所で開き、条例施行後に取り組む支援施策を評価する仕組みなどについて意見を募った。市は議論を反映させた条例案と支援メニューの財源を盛り込んだ補正予算案を市議会9月定例会に提出し、本年度内の制定と支援開始を目指す。

 事務局は条例施行後、犯罪被害者の支援施策が既存の「安全安心街づくり基本計画」の事業に位置付けられると説明。支援の内容や状況は「安全安心街づくり推進会議」で審議され、必要に応じて支援施策の見直しや反映が行われると報告した。

 委員からは「支援に関わっていない人では適正に評価できるか不安」として、犯罪被害者の支援に特化した評価機関の設置を求める声も出た。

 懇話会の座長職務代理者の桑原和也弁護士(仙台弁護士会)は終了後、「他都市にある支援メニューを網羅しつつ、当事者の意見などが生かされた支援も入り、充実した内容になった。今後は制度をより良くしていく仕組みが必要になる」と話した。

 支援メニューの骨子案によると、犯罪で亡くなった市民の遺族や重傷を負った市民に加え、性犯罪被害者も支援金支給などの対象とする。県内の市町村が死体検案費を助成する現状を受け、市も一部を負担する。

 大学や専門学校が集積する地域性を考慮し、学業復帰の支援金や家賃・学用品代の助成制度を創設。市内に住民票がない場合でも療養のための帰省と仙台に戻る際の交通費を助成する。

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