毒を持つクラゲ「カツオノエボシ」が、神奈川県茅ケ崎市など相模湾沿岸に相次いで漂着している。今夏は県内すべての海水浴場が開設されないことから、かながわ海岸美化財団(同市汐見台)は「海岸には救護所がないため、決して触れないで」と例年以上に注意するよう呼び掛けている。
カツオノエボシは、ガラスのような透き通った青色の浮袋(10センチ前後)が特徴。猛毒を持ち、「電気クラゲ」とも呼ばれる。ひものように長い触手で刺されると電気ショックを受けたような痛みが走り、呼吸困難となって死亡する例もあるという。
同財団によると、職員が5日、近くの茅ケ崎海岸で複数のカツオノエボシを見つけた。約5メートル間隔で砂浜に打ち上がっており、他の海岸でも同様のケ−スが想定されるとみている。県の担当者は「活発な梅雨前線の影響で、南寄りの風が強かったことから海岸に吹き寄せられたのでは」と分析し、注意を喚起している。
今夏は新型コロナウイルス感染症の影響で、県内全25カ所の海水浴場が開設中止となった。例年と異なり海水浴シ−ズンでも救護所が配置されないため、県などは海岸で十分な安全対策が確保されていないとして遊泳の自粛を呼び掛けている。