猟具「とらばさみ」違法使用でペット被害 仙台

 使用が厳しく制限されている有害鳥獣捕獲用のわな「とらばさみ」に掛かるネコやイヌの被害が、仙台市内の住宅地で相次いでいる。とらばさみはホームセンターなどで誰でも簡単に買えることから、違法との認識がないまま、いたずらで仕掛けているとみられている。動物愛護団体からは、販売方法の見直しを求める声が上がっている。
 市内の動物愛護団体「アニマルピース」によると、青葉区高松2丁目の住宅地で3月22日、アパートに住む主婦がとらばさみに掛かったペットのネコを見つけた。4月16日には同区中山9丁目の主婦(62)がとらばさみを引きずっている野良猫を保護したという。
 とらばさみは、開いた歯の中央に動物が足先を踏み入れると、歯が勢いよく閉じて脚を強く挟むわな。2007年4月施行の改正鳥獣保護法で、とらばさみを使って捕獲できるのは農作物を食い荒らすイノシシやシカなどに限定され、狩猟目的での使用は禁止された。
 アニマルピース代表の菅原とみえさん(47)は「安易な退治目的、いたずら感覚で使っているとみられる。明らかな動物虐待で、違法行為だということを認識してほしい」と強調する。
 とらばさみを使用するには、都道府県の捕獲許可が必要。しかし、販売や所持自体に規制はなく、宮城県内のホームセンターなどで許可証の提示なしに購入できる。
 とらばさみを扱っている市内のホームセンターは「販売自体に問題はない。購入した人の使用目的までチェックするのは難しく、買った人のモラルに頼らざるを得ない」と言う。
 菅原さんは「販売する際に許可証の提示を義務づけたり、違法な使用方法の説明を徹底したりすれば、被害を減らせる。そもそも危険な猟具が簡単に手に入ること自体が問題で、何らかの措置は必要だ」と話している。

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