猫はカニ歩きで近づくと逃げない?

わりと気ままな性格で、犬に比べてクールな印象の猫。どこかミステリアスな雰囲気もある。そんな猫にまつわる噂や、興味深い習性を解き明かしてみよう。
まずは“猫舌”の実際から。当然、猫は猫舌であってほしいところだけど。
「結論から言いますと、他の動物に比べて特別“猫舌”ということはありません。そもそも熱を通したものを食べるのは人間だけ。その他の動物は、熱いものを食べることはなく、温かいものでもせいぜい獲物の体温程度です。なので逆に言いますと、すべての動物は猫舌ともいえますね。余談ですが、猫に食欲がない時には、獲物の体温に近い37~38℃程度にエサを温めることをすすめています」
そう教えてくれたのは東京動物医療センターの副院長、南直秀先生。なるほど。人に比べるとそりゃ猫舌だけど、動物界では特別“猫舌”ではない、と。それでは、“猫の知能は2~4歳”という噂がありますが、これは?
「小学校低学年の児童程度の知能があるという研究者もいます。が、すべての猫に当てはまるわけではないでしょう。人間に飼われている時間の長さや、訓練の仕方によっても賢さは変わりますので。記憶力も、記憶する事柄によって大きく変わります。例えば、痛かった、怖かったという恐怖の記憶であれば、2~4歳程度の子どもよりもずっと長く覚えてるように感じますね」
ちなみに、暗い場所で猫の目が光っているのをよく見かけますが、あの状態の時には目の感度は上がっているのでしょうか?
「明るい場所での猫は、すばやく動くものに関してはよく見えていますが、そもそもの目の感度は人間よりもずっと劣っています。しかし暗い場所ではそれが逆転。視力で表すことはできませんが、人間の6倍程度見えているといわれています」
最後に、神経質な猫と仲良くなるための簡単な方法はありますか?
「猫は敵意がないことを示すカーミングシグナルという合図を送りながら、相手との距離を縮めます。例えばまっすぐに相手に向かうのではなく、横を向きながら相手に近づくとか。人もそれにならうと、意外とすんなり触らせてくれることがあります。目を反らしながらカニ歩きで近づいたり、ゆっくりとまばたきをしたり、またアクビをして興味がないフリをするのもなかなか有効です」
知れば知るほどなんだかかわいく思えてくる猫。いっちょアクビを連発して、近所にいる猫の頭をなでてみるか!
(山葉のぶゆき/effect)
(R25編集部)

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