王将フード過去最高益 テイクアウト、宅配が好調

「餃子の王将」を展開する王将フードサービスが16日発表した令和4年3月期連結決算は、最終利益が88億円と前期の約2倍に伸び、53億円を計上した2年3月期以来、2年ぶりに過去最高益を更新した。テイクアウトや対応店舗を増やしたデリバリーが好調だったうえ、新型コロナウイルス感染対策の時短協力金も利益を押し上げた。

本業のもうけを示す営業利益は前期比14・6%増の69億円、売上高は5・2%増の847億円だった。渡辺直人社長は「営業時間短縮の影響はあったが、(閉店を早めたのに合わせ)来店時刻の前倒し利用が増えたうえ、売り上げに占めるテイクアウトやデリバリーの比率が上がったことで結果的に人件費なども抑えられた」と述べ、店舗や調理設備の稼働率が高まったことで好業績につながったと分析した。

一方、同社はギョーザやチャーハンなど一部メニューを14日から税込みで22~33円値上げした。値上げは平成26年10月以来7年7カ月ぶりで、小麦や食用油など原材料価格の高騰に加え、物流費や人件費が上昇していることが影響した。

値上げする商品は通常メニューの約2割に当たる14品目。主力商品のギョーザは東日本で264円から286円に、西日本で242円から264円に引き上げた。チャーハンは東日本で495円から528円に、西日本は440円から473円に変わった。原材料や物流費などコスト増が約15億円となるのに対し、値上げによる増益効果を20億円程度と見込んでおり、現時点では「現状の売り上げを維持すればカバーできる」(渡辺社長)とみている。

令和5年3月期の連結業績予想は、売上高が6・2%増の900億円、最終利益は時短協力金がなくなることなどから37・8%減の54億円を見込む。

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