珍魚「アカナマダ」富山湾で捕獲 対馬暖流に流され? 近年、目撃相次ぐ

太平洋側の温暖な海に生息する珍しい深海魚「アカナマダ」が15日に日本海側の富山湾で捕獲され、富山県魚津市の魚津水族館で計測作業が行われた。近年、富山湾での目撃例が相次ぐが詳しい理由は分からず、関係者は首をかしげている。

<深海の珍魚、登場 リュウグウノツカイ剥製展示>

 アカナマダは竜のように細長い体をくねらせて泳ぐ「リュウグウノツカイ」の近縁種で、深海を中心に浅瀬までの幅広い水深で生息できる。肛門から墨のような液体を出す「珍魚」としても知られる。2019年2月、富山湾で31年ぶりに発見され、同4月までに8匹を確認。今回が今年初の発見例という。

 捕獲されたのは全長105センチ、重さ2870グラムの雌の個体。15日朝、射水市の沖合約5キロ、水深約60メートルの海域に仕掛けたホタルイカの定置網にかかっていた。同市の新湊漁協から連絡を受けた同水族館の職員が漁港で引き取った際には既に衰弱。水族館到着時には死んでいたという。

 魚津水族館の稲村修館長(62)は「データが少なくて詳しいことは分からないが、対馬暖流に流されてきた可能性がある」と分析する。

 新型コロナウイルス感染防止のため同館は17日まで臨時休館。現時点でアカナマダの展示予定はなく、解剖後は冷凍保存されるという。【高良駿輔】

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