環境保全米加算「返金を」在庫増で悲鳴 みやぎ登米農協

みやぎ登米農協(宮城県登米市)は、農薬や化学肥料を抑えて作る環境保全米の出荷者約1万人に対し、2009年産米概算金に独自に上乗せして支払ったコメ1俵(60キロ)当たり500円の加算金のうち300円を返金するよう求める通知を出した。20日に口座から引き落とす。
 加算金の一部の返金を求めるのは、全農県本部を通じて販売する登米市産の09年産米が約20万俵売れ残っているため。
 環境保全米の生産農家に加算金を支払っているのは県内の農協ではみやぎ登米農協だけ。環境保全米の生産を推進するため加算金の支払いを05年産米から始め、08年産米まで1俵当たり300円を支払った。
 みやぎ登米農協は昨年9月、09年産米の好調な売れ行きが予想されるとして加算金を500円に設定。だが、比較的高価格の環境保全米は安値販売の流れに乗り遅れて在庫が増え、加算金の返金を求めることになった。
 10年産米の環境保全米の加算金について、みやぎ登米農協は先月、厳しい販売情勢が見込まれるとして支払わないことを決めた。
 登米市は環境保全米の先進地。環境保全米の生産はコメの生産全体の約92%に上る。
 みやぎ登米農協の鹿野勝悦組合長は「加算金の返金を求めるのは断腸の思いだ。全農県本部に環境保全米の販売に力を入れるよう求めたい」と語った。

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