生物多様性の保全を図る国際協定「名古屋議定書」、地球温暖化防止に向け国際的な推進体制を決めた「カンクン合意」に関する環境省の全国説明会が22日、仙台市を皮切りに始まった。仙台を含む全国7会場で開催する。
東北各地から約190人が参加。基調講演した南川秀樹環境事務次官は、名古屋議定書を採択した昨年10月の生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)の交渉経過を報告。遺伝資源の開発で生じた利益を原産国に配分するルールを設け、途上国にも利益をもたらす仕組みを構築したと説明した。
メキシコ・カンクンで昨年11、12月にあった気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)については「主要排出国全てが温室効果ガスの削減に取り組む機運が高まった」と語った。
パネル討論では、南川事務次官と長谷川公一東北大大学院教授(環境社会学)、見上一幸宮城教育大副学長が意見を交換。環境教育や家庭、地域レベルでの環境対策の重要性を指摘した。