銭湯などで親しまれている瓶入りの「フルーツ牛乳」がまたひとつ消える。小岩井乳業(東京都中野区)が10月末に「小岩井フルーツ」の販売を打ち切る。明治も2019年に瓶入りの販売を終了している。銭湯からは残念がる声が聞こえる。
フルーツ牛乳は乳製品に果汁などで風味をつけた飲料。東京都中野区の銭湯「一の湯」の3代目、西川祥恵さんは、今月10日の開店直後に納入業者から「月末注文分で販売を終える」と告げられた。小岩井から配布されたという販売終了を告げる書面も見せられた。翌日、一の湯のツイッターのアカウントで「終売とのこと。(中略)残念でなりません」と投稿すると、それに対するリツイートなどの反応が急増したという。
一の湯ではフルーツ牛乳のほか、コーヒー牛乳と生乳を販売している。フルーツ牛乳の売り上げは、コーヒー牛乳の半分以下で、さらに生乳よりも少ないが、「週末に家族連れの子どもたちがよく買ってくれる」という。「大人にあまり売れないのは、糖分が多いからと健康を気にするからでは」とみるが、投稿後はツイッターを見たという常連客が多く手に取るようになった。以後、コーヒー牛乳と同じくらい売れているという。月末にかけて発注を増やしたところだが、「冷蔵庫の大きさが限られるのが悩みです」。