生活の痕跡つなぐ 気仙沼の美術館、津波がれき収集

押しつぶされて無残なバイク、泥だらけの人形やランドセル、火災でぱんぱんに膨らんだドラム缶。宮城県気仙沼市のリアス・アーク美術館が、東日本大震災の津波で発生したがれきを集め、展示に向けた準備を進めている。
 震災後間もなくから、学芸員4人が被災地を歩き、津波の破壊力が一目で実感できる物や、人々の生活の営みを思い起こさせる資料約160点を収集。被災状況を収めた写真も約2万8000枚を撮影した。
 資料、写真は津波の記憶を次代につなぐ新しい常設展示に活用する。来年春をめどに開設する予定だ。
 学芸係長の山内宏泰さん(40)は「物の一つ一つに人の生活が染み込み、地域の文化が詰まっている。失ったものの大きさを伝え、津波の歴史や全容を知る展示にしたい」と語る。
 同館は地震で天井が一部落下し、床や壁にひびが入り休館中。今月末から改修工事に入り、新年度の早い時期の再開を目指している。

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