台風19号による記録的大雨で、東日本を中心に浸水被害を受けた被災地の生活再建やインフラ復旧は時間がかかる見通しだ。
床上浸水などの住宅被害は1万棟を越え、停電や断水も続くほか、橋の流出で運転を見合わせる鉄道もある。
16日現在、犠牲者は74人に上り、総務省消防庁によると、行方不明者は5県で15人。孤立する山間部の集落には、自衛隊のヘリコプターが物資を供給し、警察が徒歩で向かうなどして住民の安否確認を急ぐ。
厚生労働省などによると、浄水場の水没や水道管の破裂により13都県の11万戸以上で断水が続いており、生活再建に向けた自宅の片付けや泥のかき出しに支障が出ている。道路の寸断で停電の復旧工事に入れない地域もある。
JR東日本などによると、信号の電源装置が被害を受けた北陸新幹線は長野-上越妙高間で運転を見合わせており、復旧に少なくとも1週間程度かかる見込み。中央線や水郡線、飯山線のほか、三陸鉄道リアス線や阿武隈急行線でも土砂流入や橋流出などの影響で一部区間の運休が続いている。