宮城県は、東日本大震災からの復興の方向性を定めた県震災復興計画(2011~20年度)に関する12年度の政策評価で、「被災者の生活再建と生活環境の確保」など四つの政策を「やや遅れている」とする判断をまとめた。予算が付いていても資材や用地の確保が難しく事業が思うように進まない現状を踏まえ、全7政策を「おおむね順調」とした前年度から自己評価を下げた。
成果があまり出ていない「やや遅れている」と評価したのは、「生活再建と生活環境の確保」「経済基盤の再構築」「農林水産業の早期復興」「公共土木施設の早期復旧」の4政策。
「保健・医療・福祉の提供体制の回復」「防災機能、治安体制の回復」「教育環境の確保」は、成果がある程度出ている「おおむね順調」とした。成果が十分出ている「順調」、成果がない「遅れている」はなかった。
各政策に対応する主要24施策では、「順調」「おおむね順調」が13施策と前年度の22施策より減った。「やや遅れている」は2施策から11施策に増えた。
「生活再建」関連の3施策では、災害廃棄物の適正処理を「おおむね順調」とする一方、災害公営住宅の整備などの生活環境の確保と、自然エネルギー導入など持続可能な社会の実現は「やや遅れている」と判断した。
県は、県政運営の基本方針「宮城の将来ビジョン」(07年策定)の政策も自己評価。製造業の集積促進など9政策が「おおむね順調」だったのに対し、子どもを生み育てやすい環境づくりなど5政策は「やや遅れている」としている。
県は自己評価を県ホームページで公開し、パブリックコメント(意見公募)を25日まで実施中。9月に最終的な評価を公表し、14年度の予算編成などに役立てる。
県震災復興政策課は「昨年12月に実施した県民意識調査の結果も踏まえ、客観的に自己評価した。課題を踏まえ、今後の政策や施策に生かしたい」と話している。