内閣府所管の公益財団法人「総合研究開発機構」(NIRA、東京)は11日、東日本大震災の発生から2年間の復旧・復興状況をまとめ、指数を公表した。経済関連を軸にした「人々の活動状況指数」は、岩手が3月時点で震災前水準の100を突破し、宮城、福島も上昇。円安などによる企業生産の回復が要因とみられる。
「生活基盤の復旧指数」「活動状況指数」の対象は岩手、宮城、福島県の37市町村で、県別の結果はグラフの通り。企業活動や雇用、消費など計12指標を集計した活動状況指数では、3県とも鉱工業生産、大口電力使用量の伸びが大きく、指数を押し上げた。
NIRAは「震災からの復興という側面よりは、内外経済の変動による影響が大きい」と分析し、「漁業や水産加工業など被災地の足元を支える産業はやや回復が遅れている」と指摘している。
がれき処理率や鉄道、医療施設の復旧など17指標を平均化した生活基盤指数は、宮城が初めて90を超え、岩手、福島も緩やかに回復している。
市町村別では、岩手県普代村が100となり、仙台市も97.0に達した。一方、岩手の山田町は75.4、大槌町は77.4、宮城の女川町は84.3で、復旧度の差が拡大している。福島第1原発事故の影響で、福島の双葉、浪江町は40台、大熊、楢葉、富岡町は50台にとどまっている。