生鮮市場メーンに集客 石巻市観光交流施設構想 16年春完成

 石巻市は23日、旧北上川沿いの中央南地区に計画する観光交流施設の構想を明らかにした。東日本大震災で被災した中心市街地の再開発事業の柱で、生鮮市場が目玉。2016年3月に完成予定で、近隣の石ノ森萬画館や親水空間と連動させ、街中のにぎわいを取り戻す。
 整備区域は約1.6ヘクタールで、観光交流施設と立体駐車場を建設する。いずれも3階で、2階部分を空中通路で結ぶ。
 施設の延べ床面積は約6000平方メートルを想定。生鮮市場や飲食店に加え、豊富な魚種など石巻の食文化を発信する場所も備える。運営は公設民営方式を採用する。
 河川堤防を生かして遊歩道などを設ける市の「いしのまき水辺の緑のプロムナード計画」と一体的に整備し、萬画館と連携した集客策を展開する。
 総事業費は40億~50億円と見込み、国の復興交付金を充てる方針。整備区域の多くが民有地のため、市は今月末の地権者説明会で協力を求める。
 本年度は測量や設計を進め、合意が得られた地権者の用地買収に取り掛かる。着工は来年夏ごろの予定。整備区域にある仮設商店街「石巻まちなか復興マルシェ」は、来年度に始まる堤防整備のため本年度中に撤去される。
 市産業部の担当者は「観光復興のシンボル的な事業になる。萬画館と連携し、中心市街地に人を呼び込みたい」と話した。

タイトルとURLをコピーしました