産経 主要120社アンケート 景気「拡大」92% 賃上げ15%のみ

■新興国懸念 倍増7割
 産経新聞が主要企業120社を対象に実施したアンケートで、国内景気の現状について「拡大している」と「緩やかに拡大」との回答が合わせて92%に達したのに対し、賃上げを実施したとの回答は15%にとどまり、企業の景気回復実感が賃上げに結びついていない状況が浮き彫りとなった。一方、景気の先行きについては、半数を超える63社が「アジアなど新興国経済の減速」を懸念材料に挙げた。
 アンケートによると、国内景気の現状については「拡大している」が10%、「緩やかに拡大」が82%を占め、企業の大半が景気回復を実感していることが鮮明となった。回復の要因としては「株価上昇などを背景とした景況感の改善が、実際の消費につながりつつある」(サービス)などの意見があった。
 ただ、安倍晋三首相が経済界に要請している賃上げについては「基本給を上げた」が3%、「賞与を上げた」が12%にとどまった。
 景気の先行きリスクとして多くの企業が指摘した新興国の景気については、「減速している」(10%)、「やや減速」(60%)が合わせて7割に達し、前回4月上旬の調査時の35%を大きく上回った。
 減速と判断する理由については、多くの企業が中国経済に言及。「中国の景気減速の影響が、周辺国にも拡大しつつある」(保険)との警戒の声もあった。
 また、アンケートでは政府の成長戦略と消費税率の引き上げ問題について聞いた。その結果、77%の92社が成長戦略として「法人税の実効税率引き下げ」を求める一方、消費税増税については67%が、経済状況にかかわらず、または経済が大きく悪化しない限り容認すると回答した。アンケートは7月下旬から8月上旬に実施した。

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