収穫の秋、五穀豊穣(ほうじょう)に感謝する「抜穂(ぬいほ)祭」が23日、塩釜市の塩釜神社御神田であり、花がさや編みがさをかぶった子どもたちが稲刈りの神事をした。
市内の小学生20人が4アールの田んぼに足を踏み入れ、5月12日に植えた稲を抜いて穂の実入りを確認。氏子らの指導で、丁寧に鎌で刈り取った。
耕作長の大場一美さん(66)は「夏の天候が良く生育は順調。例年より多い収量が期待できます」と話した。
新米は11月23日の新嘗(にいなめ)祭行事「初穂曳(はつほびき)」で、海産物とともに塩釜神社と志波彦神社に奉納される。
◎サンマ1万5000匹、秋の味覚を満喫 女川町
東日本大震災前、日本有数のサンマの水揚げを誇っていた女川町で23日、恒例の「おながわ秋刀魚(さんま)収獲祭」(女川魚市場買受人協同組合主催)が開かれた。町内外から約1万2000人が詰め掛け、秋の味覚を楽しんだ。
会場には、女川漁港に昨日水揚げされたサンマ約1万5000匹を用意。炭火焼き約5000匹やすり身汁約3000食が無料で振る舞われ、各ブースには長い行列ができた。ご当地ヒーロー「リアスの戦士イーガー」ショーや歌手の大月みやこさん、堀内孝雄さんらによる歌謡ショーもあり、会場を盛り上げた。
利府町の会社員西條敏彦さん(56)は「初めて来たが、炭火焼きはおいしかった。女川と言えばサンマなので、早く漁業が復興してほしい」と話した。
収獲祭実行委員長の鈴木敬幸さん(61)は「町外からも多くの人が来てくれてうれしい。復興のためにもどんどん食べて、買ってほしい」と話した。
収獲祭は震災前、県内外から約7万人が訪れる町の一大イベントだった。会場の女川漁港周辺が地盤沈下などで使えず、昨年から町総合運動公園に場所を移し、規模を縮小して実施している。