北朝鮮による拉致被害者の有本恵子さん(失踪当時23歳)の両親が、ジャーナリスト田原総一朗氏(77)のテレビ番組での発言を巡り、田原氏に慰謝料1000万円の支払いを求めた訴訟の判決が4日、神戸地裁であった。
長井浩一裁判長は「合理的根拠のない発言により、原告は我が子の生存を願う感情を害された」などとして、田原氏に100万円の支払いを命じた。
田原氏は2009年4月のテレビ番組で、有本さんについて「外務省も生きていないことはわかっている」などと発言。両親が同年7月、「精神的苦痛を受けた」として提訴した。
この訴訟を巡っては、田原氏側が発言の根拠とする外務省幹部のインタビューについて、同地裁が昨年10月に取材テープの提出を命じ、田原氏側が大阪高裁に即時抗告。同高裁は今年1月、「取材源の秘匿は保護に値する」と地裁決定を取り消し、確定している。