金融庁が今夏から男性職員の長期育児休暇の取得を促すことが30日、分かった。
省庁の大規模異動の時期に当たる毎年7月から1年間、あるいは翌年3月末までの9カ月間の取得を奨励すると通知。共働き世帯が増える中、職員の妻の負担軽減やキャリア支援につなげる狙いもある。
育休をめぐっては、小泉進次郎環境相が取得を表明するなど、省庁や企業で男性の取得は増えつつある。ただ、将来の異動や昇進への影響を不安視する向きも多く、数日から1カ月といった短期間が大半だ。
金融庁は人事異動に伴う影響を最小限に抑えるための仕組みを検討。長期間休めるような職場の環境づくりを進める。
一方、男性の長期の育休取得は、働く妻にとってキャリア支援の側面もある。共働きで子どもが生まれた場合、現在は女性が長期の育休を取得するケースがほとんど。その結果、幹部になるための経験が不足し、昇進が遅れることが懸念されるが、こうした状況の改善が見込めるという。
また、パソコンなどIT設備を活用し、職場以外での「リモートワーク」をしやすい環境も整備。多様な働き方を可能にする方針だ。