今年はテレビ放送が開始されて60年。ちまたでは「若者のテレビ離れ」が叫ばれているが、本当にそうなのか? 1日に2時間以上テレビを見ている20代から30代の男性300人(関東地区)を対象にリサーチしてみた。
アンケートによる「好きな番組」1位から5位までのランキングは以下の通りだ。
1位:モヤモヤさまぁ~ず2……30人
2位:アメトーーク!……28人
3位:ホンマでっか!?TV……18人
4位:マツコ&有吉 怒り新党……17人
5位:めちゃ×2イケてるッ!……9人
結果はテレビ東京が大躍進。「好きな番組ランキング」で、なんと『モヤモヤさまぁ~ず2』が1位に輝いた。投票理由を見てみると……。
「ゆる~い雰囲気で街を歩いていて面白いし、自分も歩いている気分になれる」(21歳・フリーター)、「さまぁ~ずと大江麻理子アナ(テレビ東京)のまったりとしたヤリトリに癒やされる」(25歳・会社員)など、リラックスして見られることを挙げる人が大多数だった。
他局の高視聴率番組を抑え、『モヤさま』がトップになった理由をコラムニストの今井舞氏はこう分析する。
「毎週日曜日の午後7時から放送で、この時間帯は徐々に月曜日からの仕事を考えて胃が痛くなる頃。イヤなことを忘れて、ボーッと見られる『モヤさま』についついチャンネルを合わせてしまうのでしょう」
2位の『アメトーーク!』(テレビ朝日系)も癒やし系番組としての様相が強い。平日深夜の放送ゆえに仕事帰りのサラリーマンが多いようで……。
「難しいことを一切考えずに楽しんで見られる」(27歳・会社員)、「見ていると元気になる」(36歳・会社員)など、まるで現在の20代、30代が疲弊しきっているかのような意見が目立った。
毒舌トークで人気を博しているのは、4位の『マツコ&有吉 怒り新党』(テレビ朝日系)。安らぎを求めて見るトップ2の番組とは違い、こちらはストレス発散の意味合いが強いようだ。
「普段、人に対して言いづらいことをマツコと有吉が代弁してくれる。また、逆に考えさせられることも多い番組」(20歳・無職)、「世の中のバカどもを斬ってくれるから、非常にスッキリする」(29歳・フリーター)などの声が多かった。
前出の今井氏も『怒り新党』は好きな番組だという。
「日常生活で“なんだかなぁ”と思っていたことをズバッと言ってくれるのがいい。例えば、ベスト盤ばかり出している歌手とか、寄せ書きが大好きな女の心理とか……。かゆいところに手が届くような感じでクサしてくれるから、視聴者の共感を得やすいのでしょう」
若者の共感と癒しを得た番組が、ランキング上位になったということか。
■週刊プレイボーイ14号「2013年 テレビはどーなる!?」より