小学生に楽しみながら、自身が住む地域の備えへの理解を深めてもらう体験型防災ワークショップ「防災アドベンチャー」が8日、仙台市宮城野区の福室新田前町内会地区であった。防災バッグを背負った子どもたち5人がスタンプラリーをクリアしながら、地域に備え付けられた防災倉庫などを巡った。東北や北陸の大学医学部の学生が、昨年11月に結成した団体「災強のすけっと」が企画した。
子どもたちはスタート地点の町内会集会所で、防災バッグについて学習。自身が持てる重さで、何を優先して持ち出すべきか検討し、「レトルト食品」「使い捨てカイロ」などと書かれたカードや飲料水をバッグに入れて探索に出発した。
ラリーのチェックポイントは、町内会の防災倉庫や福室市民センターの防災資機材倉庫など4カ所。ヘルメットや発電機、毛布、炊き出し用の鍋といった備蓄品を確かめ、クイズに答えた後にスタンプ代わりのシールを獲得していった。
福室小では、医学生が給水栓を前に「災害時に水道が出なくなったときでも、蛇口をセットしたら普通の水道と同じように使える。水の量は限られているから、自分でも水を持って避難しよう」と呼びかけた。
参加した同小5年青木美緒さん(10)は「防災倉庫など普段は見ることができない場所を見られて楽しかった」と話した。
イベントを企画した福井大医学部6年長野凌真さん(24)は「保護者が付き添いで参加することで、大人も防災に対する理解が深まる」と子どもを通して家族や地域の防災意識を向上させる狙いを語った。