ものづくりの町・大阪府東大阪市の中小企業に勤めている女性従業員たちがこの夏に発足させた異業種交流会「ものづくり女子部」の活動が注目を集めている。“おっちゃん”たちであふれる町工場で働く、紅一点の女性従業員たちが集まり「カワイイ」の視点で商品開発を行うという。
ものづくり女子部は今年8月に発足。製造業の女性従業員ら30~40代の4人が参加している。
発足まもない8月下旬には、大阪府八尾市にある国内トップクラスの鏡加工技術を持つ工場を見学し、自分たちの意見を反映させた商品開発に着手。早速、表面にレーザー加工で似顔絵などを刻むことができる、名刺サイズの薄い鏡の開発を進めているという。
メンバーの異業種交流支援企業「ロダン21」に勤務する横田久美子さんは「職人かたぎのコテコテのおっちゃんたちに囲まれた中では、女性社員の意見が反映しにくく、女性受けする製品はなかなか生まれない」と指摘する。
町工場の経営者たちは一般的に、製品のデザインや企画力よりも採算性や単価を重視する傾向にあるといい、横田さんは「女性ならではの『カワイイ』『ステキ』という単純な観点から製品開発をスタートさせたい」と語る。
ものづくり女子部の強みは女性ならではの視点に加え、町工場に精通したメンバーたちの情報。実際に、工場現場で働く従業員たちだけに、単に商品開発のアイデアを出し合うだけではなく、商品開発のために、どんな技術が必要なのか、どの町工場がその技術を持っているのかといったことを具体的に話し合うこともできるという。
ただ、女子部の参加資格は「ものづくりに興味のある女性」とし、町工場に勤務する女性だけでなく、幅広い参加を募っているという。
横田さんは「さまざまな女性たちが集まれば、これまでの東大阪の町工場になかった商品開発もできる」と話している。問い合わせはロダン21((電)06・6743・0121)まで。