留学生不明の東京福祉大など助成金ゼロに 異例の処分

多くの留学生が所在不明になっている東京福祉大(学校法人は東京都豊島区)と、元理事長らが業務上横領容疑で逮捕、起訴された大阪観光大(大阪府熊取町)について、文部科学省が所管する事業団は20日、国が2019、20年度に交付する経常費補助金(私学助成金)を全額カットする処分を決めた。大学の運営費の1割ほどを占める助成金がゼロになるのは異例の措置だ。

 東京福祉大をめぐっては昨年、過去3年間で計約1600人の留学生が所在不明になっていることが判明。受け入れに見合う教室や職員などの態勢が整っていないにもかかわらず、経営難の穴埋めとして語学力が不十分な留学生を集めたとされる。文科省は大学側の管理責任を問題視し、一部留学生の募集停止などを求めていた。

 助成金の交付業務を担う日本私立学校振興・共済事業団は、20日の運営審議会で、「その後も所在不明者の割合が改善されず、大学の対応は極めて不十分」と認定。短期大への助成金を含め、2年間で11・2億円(推計)を交付しないことにした。

 大阪観光大は、運営する学校法人明浄学院の元理事長らが土地売却に絡み、資金21億円を着服したとして大阪地検特捜部に起訴された。2年分の助成金2・8億円(推計)が全額カットされる。

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