過去3年でベトナム人、ネパール人など約1400人の留学生が行方不明になっていることが判明した東京福祉大学に対し、文科省がついに調査に乗り出した。同大は2000年に開学し、全国に4つのキャンパスを持つ私立大学で、外国人留学生の受け入れ数(5133人)では早稲田大学に次ぐ全国2位(2018年度)。
なぜこれほど大量の失踪者が生まれたのか。その“ルーツ”が窺い知れる、同大創設者で元総長であるA氏の発言録を入手した。
同大との雇用関係を巡って地位保全の裁判を起こした元職員が裁判資料として提出した、A氏と職員たちの会合(2011年9月)の録音データを書き起こしたもの。そこにはA氏のこんな発言が記録されている。
〈おれは2000人ぐらい集めようと思っている〉
〈うちの場合は、編入生大歓迎、留学生に公平な試験、外国での大学卒業の学歴認める、単位を認めると〉
〈研究生は10万円、レギュラーコースは20万円入学金払ってくれれば、合格書、仮合格書を出しますよと〉
〈上手にやりゃ、(中略)勝手な試算だけど120億円入る〉
〈募集やらないと(中略)倒産するぜ〉
この発言について、同大関係者が解説する。
「A氏はその時点で総長の地位になかったが、創設者として絶大な影響力を維持しており、“留学生を大量に入れて4年間で入学金・学費を含め120億円を獲得する”というプランを描き、留学生を入れるだけ入れようとしていた」
そうしたA氏の発言が“過剰な留学生受け入れ”の後押しになったのではないか──東京福祉大にそう問うと、こう回答した。
「私的な集まりがあって、その中でA氏が留学生募集を強化する案を大学関係者に話したことはあるようですが、本学の経営や教育には関与していません」
発言の記録まで“失踪”させてはならない。