登米の味に最高賞 地産地消コンテストとライス麺グランプリ

◎地元産赤豚と野菜を使った献立/伊豆沼農産
 農林水産省が主催する本年度の「地産地消給食等メニューコンテスト」の表彰式が10月30日、農水省内であり、登米市の農業生産法人伊豆沼農産の献立が外食・弁当部門で最高賞の農林水産大臣賞を受賞した。
 対象となった献立は「伊達の純粋赤豚と地元野菜の御膳 夏」。自社ブランドの伊達の純粋赤豚や地元野菜が使われており、同市の「レストランくんぺる」で提供されていた。野菜を多く用いるため献立は季節ごとに変えており、現在は秋メニューとなっている。
 佐々木隆博副大臣から表彰状を受け取った伊豆沼農産の伊藤秀雄社長は「安価なことだけがレストランの価値ではない。地域食材を使ったことに評価が得られ、有意義だ」と話していた。
 コンテストは本年度で5回目。外食・弁当部門のほかに学校給食・社員食堂部門もあり、全国から計151件の応募があった。
◎はっと汁アレンジ「三陸うまいつゆスープ」/災害時の非常食商品化へ/ヤマカノ醸造
 東京都内で10月下旬に行われたR(ライス)麺グランプリで、みそ・しょうゆ製造のヤマカノ醸造(登米市)が出品した「三陸うまいつゆスープ」が、ご当地部門の最高賞に選ばれた。三陸の海産物でだしを取り、郷土料理のはっと汁をアレンジした品で、同社は商品化を目指している。
 三陸うまいつゆスープは岩手や宮城の近海で採れたヒラガニとムール貝を煮てだしを取り、同社製品のつゆで味付けした。新潟産の米で作った板状の麺と、登米市特産の油麩(ふ)や刻んだネギと大葉を具に添えた。
 メニューを考えた同社商品開発部の及川順子さん(45)は「麺が平たく硬いので、味付けを濃くした。魚介類の風味を生かし、油麩で登米の特徴を出した」と言う。
 グランプリは米の普及拡大や東日本大震災の被災地支援を目的に、ライスバレー運営事務局(新潟県南魚沼市)などが開いた。宮城や岩手など4県からホテルや食品関連企業など11団体が参加。ご当地、ヘルシーの2部門で、米を材料にした麺に合うスープの味わいや独自性などを競った。
 運営事務局によると、三陸うまいつゆスープは主にはっと汁をアレンジして工夫した点が審査委員に評価され、大差でグランプリに輝いた。
 ヤマカノ醸造は今回の受賞を機に取引先の企業などと協力し、うまいつゆスープを災害時の非常食として商品化する方針。鈴木彦衛社長は「震災を機に頂いた賞なので、災害への備えとして役に立つ商品作りに生かしたい」と話した。

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