登米市にことし初めて誕生 女性消防士、救急で活躍

 宮城県登米市消防本部でことし初めて女性消防士が誕生し、救急の現場で活躍している。佐々木保奈美さん(20)は、現場に配属され7カ月余り。日々成長を重ね、搬送される患者らの不安を和らげる存在になっている。
 佐々木さんは登米市出身。石巻市女高を卒業し、2011年4月、市消防本部に採用された。前身の登米地区消防事務組合が1970年に発足して以来、登米市史上初の女性消防士だ。
 昨年1年間は県消防学校(仙台市)で学び、ことし4月、市消防署救急係に配属された。「女性だからこそ、できることがある仕事」と佐々木さんは言う。
 勤務は月12、13回で、夜勤もこなす。1回の勤務で平均5件、現場に臨場する。事故など悲惨な現場もあり、当初は対応に戸惑うこともあった。佐々木さんは「まだまだ未熟。日々勉強」と謙虚に語る。
 中学3年の時に遭った交通事故が消防士を志すきっかけになった。大崎市内で家族とともにけがを負い、救急搬送時に接した女性隊員の穏やかな言葉や態度に、落ち着くことができたという。以来、「けがなどをした時でも、不安を解消できるような存在になりたい」との思いを抱いた。
 最近は応対した患者や家族から感謝の思いを伝えられる機会が増えたという。直属の上司に当たる救急係長の大森透さん(50)は「救急搬送する時に女性がいると、患者らが安心する。佐々木さんは努力家。日々成長している」と話す。
 同消防本部では通常、若手の消防士は2、3年で担当部署が変わる。佐々木さんは「消防の仕事は幅が広く、それぞれリンクしている。将来は火災予防や消火の仕事もやってみたい」と意欲を燃やしている。

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