13年経過で「自動車税が高額に!」
クルマを持っている人は毎年支払っている「自動車税」ですが、初度登録から13年経過すると増税になります。
自身の所有車を長年愛用し続けていたり、修理を重ねながら大切にしているユーザーにとっては、苦しいと感じる制度といえるかもしれません。
では、そもそもなぜ初度登録から13年で自動車税は増税してしまうのでしょうか。
自動車税は、毎年4月1日時点での車検証に記載のあるクルマの所有者に対して支払い義務が生じる税金のことです。
【画像】「こんなにかかる!?」 自動車税「重課税」対象となってしまうクルマを画像で見る(14枚)
自動車税の税額は用途や排気量に応じて決められており、普通車は自動車税、軽自動車は軽自動車税として徴収されます。
そんな自動車税は、初度登録から一定期間を超えると増税される場合があります。
増税の対象となるのは、登録から11年を超えたディーゼル車、13年を超えたガソリン車・LPG車です。
増税となる金額は、普通車で約15%、軽自動車で約20%となっており、たとえばコンパクトカーなど排気量が1リットル超から1.5リットル以下のクルマは通常3万4500円(2019年9月30日以前に登録)ですが、同じ車種でも13年経過した場合は3万9600円と、5000円以上の増税となります。
また、軽自動車についても最初の新規検査から13年を経過すると増税に。
軽自動車税は、最初の新規検査が2015年以前の場合は7200円、2015年以降の場合は1万800円ですが、最初の検査から13年を超えると約20%増となる1万2900円となります。
現状で、最初の新規検査から13年を超えるクルマは2015年以前のクルマのため、この場合は1.8倍という大きな差が生じることになります。
さらに、車検の際に支払っている自動車重量税についても、普通車では登録から13年・18年、軽自動車でも13年を経過すると増税されることになっています。
ただしこちらはエコカーに該当する場合、登録からの年数にかかわらずエコカー区分の税額が適用されます。
では、そもそもなぜ一定の期間を超えると増税するのでしょうか。
登録から13年を超えるクルマの自動車税や自動車重量税の増税は、「税制のグリーン化」によるものです。
環境省によると、地球温暖化対策と大気汚染対策を目的として、環境負荷の大きいクルマには増税、環境負荷の小さいクルマには軽減する制度がつくられました。
つまり、燃費が悪く二酸化炭素の排出の多いクルマは増税し、二酸化炭素排出量の少ないクルマは軽減するという仕組みです。
具体的には、2001年に自動車税の軽課措置と重課措置を導入。2014年に重課措置の上乗せ率が引き上げられ、2015年には軽自動車税に対しても同様の重課措置が導入されました。
環境省ではクルマの平均的な燃費データも発表しており、2005年度のガソリン乗用車の新車平均燃費は14km/Lだったのに対し2018年は22km/L、燃費改善率は57%と、13年で大きく燃費が改善していることを明らかにしています。
さらに、新車から年数が経過するほど自動車部品の劣化や摩耗が進むため、燃費悪化の原因となるほか、新車よりも年数の経過したクルマのほうが走行距離が短い傾向にあることも、燃費を悪化させる原因のひとつと挙げられています。
そこで、新車から年数の経過したクルマを増税することにより、税負担を避けるために新車への買い替えをする人が増えると考えられています。
実際に、地球温暖化対策や大気汚染対策という面では、同じクルマを長く乗り続けるよりも、一定期間で買い替えたほうが、走行や製造時のCO2排出量を含めても環境に良いケースがあるといいます。
このため、新車から年数の経過したクルマの自動車税が増税されるという仕組みになっています。
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新車から13年経過したクルマは、地球温暖化対策や大気汚染対策など環境保護の観点から自動車税が増税される仕組みとなっています。
これは、新しいクルマの燃費が年々向上していることや、年数の経過した車は部品の消耗などにより燃費が悪化しやすいことが要因です。
税額が大幅にアップしてしまうクルマもあるため、自分のクルマがいつ増税を迎えるのか確認しておくといいでしょう。