2007年02月28日17時21分
食事でビタミンCを多く取る人は、老人性白内障の発症率が低いという調査結果を、厚生労働省の研究班(主任研究者=津金昌一郎・国立がんセンター予防研究部長)がまとめた。岩手、秋田、長野、沖縄の4県に住む45~64歳で、白内障の診断・治療歴のある人や、サプリメントでビタミンCを取っている人を除く3万5000人を、5年間追跡調査した。
ビタミンCの摂取量で分けた5グループのうち、摂取量が最も多いグループは最も少ないグループに比べ、男性で35%、女性で41%、発症率が低かった。手術の割合も男性は30%、女性は36%低かった。1日のビタミンC平均摂取量(ミリグラム)は最も多い男性群が212、女性群が259。最も少ない男性群は52、女性群が76だった。ビタミンCはレモン1個に約20ミリグラム、オレンジ1個に60ミリグラム含まれている。
白内障は、年を取ると目の水晶体のたんぱく質が壊れて白く濁り、ビタミンCは抗酸化作用でダメージを防ぐと考えられる。研究班の吉田正雄・杏林大助手(公衆衛生学)は「一つの食品に偏るとほかの栄養素が足りなくなる。なるべく多くの果物や野菜からビタミンCを取るよう心がけてほしい」と話している。
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