宮城県白石市のホテル経営木村屋旅館が、同市鎌先温泉の「にごり湯の宿 湯守 木村屋」の営業を中止したことが27日、関係者への取材で分かった。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う自粛傾向で、経営が悪化したことが原因とみられる。
旅館は1688(元禄元)年に創業し、鎌先温泉で唯一、二つの源泉があり、34の客室を備える。23日分の宿泊から予約を受け付けておらず、再開の見通しは立っていない。
東京商工リサーチ東北支社によると、売り上げの低迷で2008年に民事再生法の適用を仙台地裁に申請。同支社によると負債総額は10億5200万円で、09年の再生計画認可を受け、12年9月に民事再生手続きが終結した。
関係者によると、東日本大震災の復興特需が落ち着き、宿泊客が減少。新型コロナが追い打ちを掛け、必要な設備投資ができず、事業継続を断念したという。