白石和紙残したい 市民グループ生産に挑む

白石市のまちづくりグループ蔵富人(くらふと)が、特産の白石和紙の紙すきに初めて取り組んだ。市内で唯一残っていた白石和紙工房が職人の高齢化などを理 由に今春で生産を終了。白石和紙を使ってランプシェードを作る毎年恒例のワークショップの材料が調達できなくなり、自力生産に踏みだした。

これまでは原料のカジノキを自ら栽培し、工房に和紙の生産を委託していた。ことしは工房の指導を受け、伝統的な製法を実践。約60キロのカジノキをふかして皮をはぎ、たたき、水洗いするといった手間の掛かる下準備を3月に始めた。
今月4日から3日間、B3判程度の大きさで約200枚をすき、一晩水を切って天日干しにした。厚みを均一にするのが難しく、干し板で伸ばす際に傷がつくなど悪戦苦闘したが、味わい深く仕上がった。
紙すきの挑戦をめぐり、グループ内では「おそれ多い」「やるべきだ」などと長年意見がまとまらなかったという。中心メンバーの一人、自営業阿部桂治さん (46)は「うまく和紙になったのは工房の方々の指導のたまもの。白石和紙の何を残し、守るのかを考え、来年以降もできる範囲で楽しみながら続けたい」と 話す。
白石和紙あかり制作ワークショップは17日、6月21日、7月19日の3回。1回の参加で完成する。いずれも午前10時~午後4時、白石市中町の寿丸屋敷で。定員は各20人で先着順。参加費は3000円。連絡先は阿部さん090(2727)5319。

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